作る。
(英)make;cook
(英類音)tool
(解説)房州弁の「ツール」は作ることであり、英語の「ツール」と言えばそのための道具。何か因縁めいたものが有りそうな単語。
熟した柿のこと。(詳細は「サ行 じゅうしい」の項参照)
(英)ripe
(英類音)juicy
(解説)熟した柿はまさにjuicyそのもで、これも「房」・「英」がまったく一致する例である。
起きる。
(英)get up;wake up
(英類音)oil
(解説)朝オイルと雨だった」。oilは生活にとっても大切なもんだよ。
私の〜
(英)my
(英類音)own
(解説)これは不思議、「房」も「英」も一致する珍しい例だ。
英語のownは自分のもの。房州弁のオウンは「私の」とか「オレの」という意味。正確には「オン」と発音するけど……。
go your own wayというのはフリートウッドマックのヒット曲だが、房州弁では「オメエは自分の道をゆけ」となる。
ownだけは英語も房州弁も一緒なのだ。
食に強い執念を燃やす人
(英)greed
(英類音)crazy
(解説)crazyとは違う。漢字で書けば「食い意地」。
物や、その意思を指す。
「あんにゃろはクレイジが張ってらあ」というのは、控えめな食事マナーを持たない人を暗に非難しているのだ。
何でもガツガツ食うのは、やはりcrazyなんだよね。
何だって?
(英)What do you say?
(英類音)andante
(解説)これはイタリア語。「ゆるやかに」「歩くくらいの速度で」という音楽用語。
房州では「何っ?」という感嘆語になる。「歩くようなスピードだな、もっと速く行けよ」「アンダンテッ」
まあ、注意されて怒ってしまうわけだ。
何だか知ったことかよ。
(英)I don't know.
(英類音)you understand?(理解したの?)
(解説)房州弁ではアンダカ(何だかシッタン(知ったことかよ)がつまってこうなる。問われて具合の悪いとき、または本当に知らないとき、房州人はこういって場をつくろう。
understandとは反語のようでもあるが、知っているかどうかの問題だけに、似た発音とも相まって好きな言葉だ。
バラ科の常緑樹で、冬に白い花が咲き、初夏に鶏卵大の実を結実させる。
ビワ。 (「ハ行 ふうろかい」の項参照)
(英)a loqua
(英類音)beer
(解説)beerではなく、枇杷のこと。房州特産の果樹だが、地元ではビワと呼ばず、特別にビヤという都会で仕事をしていた若いころ、6月にこれを食べたくて、事前に電話で親に問い合わせた。
「家に今ビヤあっかい?」「ちょうど時期だお」。その電話をそばで聞いていた先輩が「キミの家は正しい英語の発音なんだね」。私「???」。ビールが用意してあるかとの問い合わせだと思ったそうだ。朱玉の果実がおいしいように、コハク色の泡だつ液体もまた旨い。共通点である。
食を乞う人転じて、そういう性質の人物をいう。
(英)a beggar
(英類音)hate
(解説)hateは動詞で嫌う、憎しむ。
房州では「ほいと」=陪堂、乞食=のなまり。人に嫌 われるのは間違いない。(「ハ行 へいと」の項参照)
神奈川県横須賀市久里浜港と千葉県富津市金谷港の間を運行する東京湾フェリーのこと。
都心から房州にアクセスする際の3大ルートのうちの一つを意味する。(「ハ行 へり」の項参照)
(英)Tokyo Bay ferryboat; sea route
(英類音) ferryboat
(解説)もともと英語であるフェリー(ferry)がなまったものであるため、意味も類似どころかそのものズバリ。
また、この房州弁は、ヘリコプター(helicopter)の略称「ヘリ」と全く同じ発音であるため、房州人が「ヘリでけえんべ」と行った場合、実際には東京湾フェリーを利用して帰省するにもかかわらず、あたかもヘリコプターを利用するかのような誤解を与える。
なお、他の2ルートとは、東関東自動車道若しくは内房線による陸路(通称「おか」)と1997年末に開通した東京湾アクアラインである。