漁師が大漁を祝って着る半纏(はんてん)風の上着。
漢字で書けば万祝い。
(英)a jacket for celebrate big catchcoat
(英類音)my way
(解説)マンイワイが漁師らしく早口になまってマイウェーとなる。安房博物館(館山市)には万祝いの展示が多いが、これを着た漁師の写真をみると、我が道《my way》を往くようでもある。
やっかいなこと、またはその様子。
(英)nuisance
(英類音)jacke(windjackeの略)
(解説)ヤッケ(ウィンドヤッケの略)は登山・スキー用などのフード付きの防寒着のことで、これを着なければならない状況だと、とてもやっかいだ。
「山いって、ヤッケ着るようだとやっけだのお」とは(登山に行って、ヤッケを着なければ行けない様だとやっかいだなあ)の意。(「ヤ行 やっけ」の項参照)
穴掘るって?
(英)Do you dig a hole?
(英類音)mezzoforte
(解説)これもイタリア語で、音楽用語。「やや強く」の意。
房州ではメゾは穴=メド=、 フォルッテは標準語で「掘るって?」。メゾフォルッテ?(穴掘るって?)ああ、やや強くね。
祭礼
(英)festival
(英類音)match
(解説)祭りをマチを略すが、さらに親しみを込めてマッチと表現する。
八幡祭礼はヤワタンマッチ、平群祭礼はヘグリンマッチだ。
燐寸《match》のようにパッと燃え上がる房州人の気質をみるようだ。
みえる。
(英)can see;can be seen;see;come in sight;look
(英類音)mail
(解説)そのものが何かによって妨げられることなく、確かにその存在を目で感じることが出来ること。
もしくは、客観的にそういう状況が看取されること。
世界中の人と瞬時に情報交換ができる、e-mail の「mail」と、どことなく共通する部分がある。 (「マ行 めえる」の項参照)
あなたたち。
(英)you
(英類音)wonder
(解説)不思議な房州弁の仕上げはwonderで。
ワンは二人称で、ダーはその複数形。まさにwonderlandの房州だ。
バラ科の常緑樹で、冬に白い花が咲き、初夏に鶏卵大の実を結実させる。
ビワ。 (「ハ行 ふうろかい」の項参照)
(英)a loqua
(英類音)beer
(解説)beerではなく、枇杷のこと。房州特産の果樹だが、地元ではビワと呼ばず、特別にビヤという都会で仕事をしていた若いころ、6月にこれを食べたくて、事前に電話で親に問い合わせた。
「家に今ビヤあっかい?」「ちょうど時期だお」。その電話をそばで聞いていた先輩が「キミの家は正しい英語の発音なんだね」。私「???」。ビールが用意してあるかとの問い合わせだと思ったそうだ。朱玉の果実がおいしいように、コハク色の泡だつ液体もまた旨い。共通点である。
神奈川県横須賀市久里浜港と千葉県富津市金谷港の間を運行する東京湾フェリーのこと。
都心から房州にアクセスする際の3大ルートのうちの一つを意味する。(「ハ行 へり」の項参照)
(英)Tokyo Bay ferryboat; sea route
(英類音) ferryboat
(解説)もともと英語であるフェリー(ferry)がなまったものであるため、意味も類似どころかそのものズバリ。
また、この房州弁は、ヘリコプター(helicopter)の略称「ヘリ」と全く同じ発音であるため、房州人が「ヘリでけえんべ」と行った場合、実際には東京湾フェリーを利用して帰省するにもかかわらず、あたかもヘリコプターを利用するかのような誤解を与える。
なお、他の2ルートとは、東関東自動車道若しくは内房線による陸路(通称「おか」)と1997年末に開通した東京湾アクアラインである。
何だって?
(英)What do you say?
(英類音)andante
(解説)これはイタリア語。「ゆるやかに」「歩くくらいの速度で」という音楽用語。
房州では「何っ?」という感嘆語になる。「歩くようなスピードだな、もっと速く行けよ」「アンダンテッ」
まあ、注意されて怒ってしまうわけだ。